ワクチンを打ったのに、インフルエンザにかかってしまいました。インフルエンザワクチンは、どのくらい効果があるのでしょう?
インフルエンザワクチンの能書によりますと、成人男子の場合、有効率は、約80%とされています。すなわち、仮に、ワクチンを打たなかった人と、打った人とを、同人数で比較すると、もし、打たなかった人のうち、100人がインフルエンザにかかったとすると、打った人の中からは、20人しかかからなかった、ということになります。また、成人男子が、2回、3週間間隔で、ワクチンを打った場合、1ヵ月後に、約77%の人で、抗体が、予防に有効な水準に達したという実験結果があるそうです。成人男子が2回打ってこのくらいの効果ですので、女性や小児、高齢者では、そこまでの抗体の上昇は望めないのかもしれません。(小児の予防率は、2回接種で、50%程度と書いた書物もあります。)ましてや、1回ではどのくらいになるかは、はっきりしません。ただし、高齢者の1回接種時の予防率については、能書には、34~55%に過ぎないと書いてあります。が、しかし一方、死亡阻止率は、約82%と謳っています。ですから、13歳以上の1回接種は、予防というよりも、重症化防止、もしくは、死亡阻止目的であり、予防目的としては、2回接種が望ましいのかもしれません。
(日本臨床内科医会の河合直樹らは、0~15歳の1回接種の発症予防効果は、68%、2回接種では、85%で、16~64歳では一回で、55%、2回では、82%と報告しています。)