千葉県白井市根の内科・消化器科・外科・小児科 医療法人社団新成会 西白井クリニック

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夏に流行の「手足口病」

夏に流行の「手足口病」について

手足口病について

<どんな病気?>
手足口病は、乳幼児、小児によく見られる(大人にもあります)疾患で、手足の水疱や発疹と口内炎が特徴の夏風邪の一種です。主に、5~8月頃に流行し、潜伏期間は3~7日ぐらいです。最初の1~2日の間に熱が出ることもありますが、高熱が出るのは、全体の30%ぐらいで、熱の出ない人もいます。一般的には、症状は軽く、ほとんどの人が、1週間から10日程度で自然に治ります。

<主な症状、合併症>
水疱は数日で消えてしまい、あとが残ったりすることはありません。発疹は、手・足・口以外にも、お尻~大腿などにも出ることがあります。また、時々、発疹の部分のかゆみや、軽い痛みを訴えるかたもいます。軽い咽喉の痛み(口内炎の痛みも)のため、食欲低下(おなかはすくが、痛みのため食べられない)を起こすことがあります。手足口病は、いくつかのウイルスが原因で起きますが、ウィルスの性格上、多少下痢っぽくなることはありますが、ひどい下痢になることはそれほどありません。
合併症としては、一般の風邪をこじらしたときのように、中耳炎、副鼻腔炎、扁桃腺炎などが考えられます。稀には髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの中枢神経系合併症の他、心筋炎、などを生ずることもあるようです。

<治療>
手足口病を治す治療法はありません。発熱、頭痛、口腔内の潰瘍の痛み等のそれぞれの症状に対する対処療法が中心です。もちろん、この病気そのものを治すのに、抗生物質は効果がありません。
したがって、対症療法として、熱や咳・鼻水があるときに風邪薬などが使われることがありますが、発疹を治すための塗り薬はありません。(つぶれて細菌感染が起こった場合には、それに対する軟膏を処方しますが、単に発疹があるというだけで塗り薬を使用しないということです。)
口や喉の痛みのために水分摂取量が低下し脱水に陥らないように水分を十分補給しましょう。食物は熱い物、酸味の物、醤油味など、傷にしみそうなものは避け、牛乳、ミルクセーキなどしみない物とします。高熱で、ぐったりしていなければ、入浴、シャワーは構いません。
突然の高熱或いは微熱でも持続するもの、嘔吐を繰り返すもの、意識状態に変化が見られるもの、頭痛・けいれんなどは、髄膜炎や、他の合併症のサインかもしれませんので、注意しておきましょう。ただし、合併症を生じた場合の特異的な治療法は確立されていません。

<その他>
手足口病を起こすウイルスは1種類ではない(主に3種類、厳密には10種類以上)ので、何度もかかる可能性があります。
感染者の鼻やのどからの分泌物や便に排出されるウイルスが、経口・飛沫・接触などの経路により人から人に感染します。(発疹に触ったせいでうつることは、可能性としては否定できませんが、頻度は低いと思われます)。
妊婦が手足口病に感染したらどうなるかに関しては、はっきりしたデータはありませんが、風疹・りんご病・水痘のような明らかな問題点は言われていないようです。
主症状から回復した後も、鼻汁からは2週間、便からは4~5週間もの間ウイルスは長期にわたって排泄されることがあるので、急性期のみ登校登園停止を行って、学校・幼稚園・保育園などでの流行阻止をねらっても、効果はあまり期待ができません。集団としての問題は少ないため、熱が出たりした場合は、一般的な普通の風邪と同じような対処をする必要がありますが、発疹があるということ以外に何も症状がなければ、幼稚園や学校を休む必要はありません。通常の流行状況での登校登園の問題については、流行阻止の目的というよりも患者本人の状態によって判断すればよいと考えられています。(ただし、発疹がたくさん出ている子供が幼稚園や学校に来ていたら、周囲の気持ちの問題としては、歓迎的ではないでしょうから、実際には、そういう社会的な要因も考慮に入れる必要があるかもしれません。)また、水疱はつぶれると感染を起こしてめんどうなことになるので、水疱がなくなるまで、学校での鉄棒や登り棒はやめましょう。プールも、発疹がふやけてつぶれたりすると細菌感染が起こるので、やめた方が無難でしょう。その他、合併症予防の観点からも、ある程度運動などは差し控えたほうが無難だと考えます。